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伝統の技ー門松を立てる
作成:2001.12.30(注)
(注)
これは昔会社のHPに載せていた物。2012年1月に古い外付けHDDを整理していたら
発見したので復活。
正調! 東三河流門松の作り方
派手好きで有名な尾張の隣にありながら三河人、特に東三河人の生活は
割合と地味です。名古屋の嫁入りに欠かせないと言われているガラス張りの
トラックも当地ではお目にかかれません。
「寒中でも足袋をはかない」徳川家康と三河武士団の質素な暮らし振りが
生きているのかどうかは知りません。
そんな地味な東三河で例外的に派手なのがモーニングと門松。
とは言え近年は本格的な門松を立てる家も減り、このままでは作り方を知って
いる人も減少の一途をたどっていくことでしょう。
というわけで「地域に密着した建設会社」目指す当社のHPの今回のテーマは
門松の作り方です。
*2012年追記:この記事中の作り手達も数年前に引退してしまった…。
用意するもの:
竹 : 孟宗竹の新子(今年生まれ)が最良。長・太・まっすぐがキーワード
松 : 雌雄の別あり(黒松を雄、赤松を雌と見立てる)。向かって右が雌らしい。
渥美半島の古い形では竹を使わず松だけで済ませるそう。
梅 : 枝ぶりの良い物を。但しうぐいすの宿を奪わないように。
(ちょくなれば いともかしこし で検索して下さい)
南天 : 緑と赤のコントラストは西洋のクリスマスと共通。
笹 : お好みに応じてくわえます。今回当社は使用せず。
(実は用意したのだが、松と梅がたくさんありすぎて植えられなくなった)
花キャベツ : 別名「葉ボタン」 大阪・東京の門松では滅多に
お目にかかれないが東三河では必須。
名古屋では半々。食用ではない(多分)
人手:今回のような3m超級の場合は最低で熟練者二人、助手一人。
竹の切り出しには4人は欲しい。 1m50cm級なら熟練者一人と助手一人。
さて作り方です。
1.竹を切る
まずメインとなる竹を選びます。曙の湯の門松は長さで3m、
直径で15cm以上もあるので、これに使う竹も大物です。
現場ではとりあえず切り倒して大雑把な長さに切り取ります。
*ちゃんと竹林の所有者の許可を得て切ること。
京都の嵯峨野にも負けない? 見事な竹林。 |
太い竹は結構切りにくいです。 刀の練習に使うのも納得です。 |
あまりに密集しているので 根元を切っても完全には倒れない。 |
2.長さを切りそろえ上部を斜めにカットして3本一組に縛ります。
カットする時に断面のまん中に節が来るのが笑っているように
見えて縁起が良いとされます。
(ここの写真撮りそこないました。来年補充します)
3.ベースの箱の真ん中に立てて砂を投入。ベースの箱は全周を竹で
囲みたいところですが、うちのは大きすぎるのでちょっと無理。
なので枠部分だけ竹をはっています。この竹は本体と一緒に切り取って
きた物を使います。
土台に充分な砂を入れるために 小型ダンプの出動です。 |
砂には充分水を含ませては 踏み固めます。 これが足りないと倒れます。 |
4.松、梅等の飾り付けをして目出度く完成。
南天は色あざやかな トッピング。 お正月を待たずに鳥に 食べられてしまうのが 悩みです。 |
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松の根元はこのように短い竹筒を埋めて支えます。 上部は針金で固定します。 |
竹の切り口が笑っているのが分りますか? 松と梅の枝をふんだんに加えてほぼ完成です。 でも何かが足りません… |
そう、花キャベツあっての 豊橋の門松です。 |
こんな感じで根元にぎっしりと 植え込みます。 |
赤キャベツ |
白キャベツ |
おまけです。 本物の食用キャベツ これは使いません。 |